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青い花
ある春の日の公園、満開のソメイヨシノの下で私は休んでいた。
風も無いのに時折はらはらと花びらが舞い、地面はすでに白い絨毯のようだった。
すると突然、私の頭にぽつりと小さなものが落ちてきて当たり、かすかな音をたてた。
なんだろうと見上げると、桜の小枝の中に動くかげがあり、それは小鳥達だった。
かれらは思い思いに枝を渡りながら、手頃な花をついばんでは根元をくわえ、器用に蜜を吸っていた。
そして吸い終えた花を、そのままぽいと下に落としている。
そのうちの一つが、私に当たったようだ。
思いがけない出来事に私はとても嬉しくなり、それらを拾って持ち帰り、写真にした。
印画紙がネガカラー用のものなので、色は実際とは反対で、赤いガクがシアン、黄色い花粉がブルーになっています。
色の三原色でいう、補色の関係です。露光を多めにしているので、花びらの部分は黒くなり、ほとんど分からなくなりました。